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白内障、病的近視と認知症の関連について

[2021.03.22]

このところNHKでは1月総合テレビNHKスペシャル、2月教育テレビきょうの健康、3月総合テレビためしてガッテンと、病的近視がトピックとして取り上げられていました。
何れの番組でも東京医科歯科大の大野京子教授が適切に原因、検査、治療について説明されていました。1月の番組では、司会者から認知症と病的近視が関連あるかのような質問があり、大野教授が近視との関連は認められないと答えられていました。
視機能と認知症の関連について、白内障で私見を混じえて説明します。

高齢者では視力低下が進行すると、視力低下群では視力良好群に比べて認知症の率が2倍以上認められました(2012年の藤原京スタディという大規模調査による)。
病的近視では視機能の低下が必ずしも認知症と関連する訳では有りませんが、白内障での視機能低下による行動制限のために老人施設で認知症と思われていた方が、白内障手術後に見えるようなったことで、認知がしっかりしたり、若返って活動が活発になることがあります。
白内障術後に生活リズムが改善したり、死亡率が低くなることも報告されています。白内障の手術時期としては、日常生活が不自由になった時という表現を使うことが一般的です。
しかし、体力、気力が低下したり、認知症になってからでは白内障手術の時期を逃してしまうこともあり得ます。
視機能以外の様々な要因も含めた白内障手術時期の決定が望ましいこともあるので、経験ある眼科医に相談されてみて下さい。

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