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緑内障

特徴

眼圧が上昇するなどの何らかの原因で視神経が障害され、視機能が低下する疾患です。

眼圧とは

眼の中の圧力、つまり、眼の硬さのことです。正常範囲の眼圧は8~20mmHgとされていますが、個人によって受容される眼圧は異なります。
眼圧は、房水(眼の中で作られる水)の流出量を調整することによって、一定に保たれています。
作られる房水の量が増えたり、流出する量が減ったりすると眼圧は上がります。逆の場合、眼圧は下がります。

緑内障の種類

・正常眼圧緑内障

我が国で多くみられる、眼圧が高くなく、正常範囲である緑内障です。
正常範囲の眼圧でも、人によっては視神経障害を起こすことがあります。

・閉塞隅角緑内障

房水の流出路である隅角が狭い緑内障です。
隅角が閉塞して、急に眼圧が高くなる緑内障発作では、治療が遅れると短期間で失明することもあるため、緊急対応が必要です。

・開放隅角緑内障

房水の流出路である隅角が広い緑内障です。
徐々に視機能が低下するため、視野異常等の自覚症状を訴えないことも多いです。

・先天性緑内障

生まれつき隅角の流出路が発達していない緑内障です。
乳幼児の角膜が大きくなることもあり、視機能の発達を障害します。

症状

初期は視野異常、進行すると、視力の低下がみられます。
人間ドックでの眼底写真で緑内障の疑いを指摘されることもあります。初期の視野異常は他眼で補うため、両眼での日常生活では気付きづらく、視野検査で確認することが必要となります。
緑内障発作では、眼痛・頭痛・充血・嘔吐・食欲低下等の症状があり、脳神経外科系の病気と間違えられることがあります。

白内障とは異なり、緑内障で一度低下した視機能は手術等でも回復できません。
早期の発見・治療が重要です。
眼圧、眼底検査、視野検査、OCT等で診断をします。

治療について

緑内障の治療は点眼とレーザー治療および、手術によってなされます。
多くのケースでは、まず点眼による治療から開始します。

治療法

点眼

眼圧を下げるための点眼薬には複数の種類があります。

レーザー治療

閉塞隅角緑内障では、レーザー虹彩切開術やレーザー隅角形成術を行います。
開放隅角緑内障では、レーザー線維柱帯形成術を行います。

手術

新たな房水の流出路をつくる濾過手術(レクトミー)と、房水の流出路の流れを良くする流出路再建術(ロトミー)があります。
閉塞隅角緑内障では、白内障の眼内レンズ手術も有効といわれています。

他科受信時の注意

閉塞隅角緑内障の方は、風邪薬や睡眠薬、全身麻酔時、急性腹症でのブスコペン投与などによって急に眼圧が上がることがあるため、注意が必要です。
眼科主治医に、開放タイプ(約85%)か閉塞タイプ(約15%)かを聞いて、患者様自身が把握され、そのタイプを他科の医師・薬剤師にお伝えください。

トピック

  • 2020年2月、NHKの総合ニュースで、OCTの活用により、緑内障の早期診断が視野異常出現の前の段階(前視野緑内障)でできることが多くなっていると紹介されていました。
  • 流出路再建術(ロトミー)をステントやフックを使って眼に負担の少ない形で、早期から中期の緑内障に行うことが多くなっていることを2020年7月に朝日新聞が報じていました。

Q & A

1.緑内障の点眼薬で全身および局所の副作用があると言われた。

β-ブロッカー(チモロール)点眼薬では喘息や不整脈を生じることがあります。また、プロスタグランジン(キサラタン等)点眼薬では、眼瞼虹彩の色素沈着や上眼瞼溝の陥凹等の副作用があります。
多くの緑内障点眼薬では、点眼後に充血を生じます。

2.点眼薬の指し方は?

上手に点眼することはなかなか難しいことです。
下眼瞼(下まぶた)を引き下げ、点眼します。目頭を数分押さえて、点眼液が鼻涙管を通って全身に吸収されないようにし、喘息や不整脈といった全身の副作用を防ぎます。
プロスタグランジン系点眼薬では、洗顔前に点眼することで、眼瞼に流れた点眼を拭き取りやすくします。
また、2種類以上の点眼薬を使用する場合は、間隔を5分以上空けてください。

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